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町に潜む獣

09 重い衝撃

「お前、俺に勝つ気は満々か?」
竹刀の先を義成に向けた潮津が言う。
義成は同じように、潮津に剣先を向けながら「いいや」と首を振った。
「とっくに剣なんて辞めた俺と、毎日鍛錬積んでたお前だ。お前も腕を上げたと聞いてるし、楽に行くとは思ってないよ」
「でも、付き合ってくれるんだな」
潮津は笑っている。
その顔を見て、義成も若干表情を緩めた。
「仕方ないだろう?いろいろかかってる。弟も見てるし、逃げるわけにはいかない」
「……弟ね。俺とつるんでた頃は、会わせてもくれなかったのにな」
「こちらもいろいろ事情があってね」
義成の言葉に、潮津の口は弧を描く。
「仕方ないさ。大人になってくと事情っていうのが増える。馬鹿やってた頃は楽だったな、お互い」
その言葉に、義成も笑みを浮かべた。同意だったのかもしれない。
「で、どこまでやったら勝ったと言える?」
「どちらかが負けたと認めるまで」
「……面倒くさい」
「やる気のない若様だな。噂通りだよ」
はは、と潮津が眉を下げて笑う。
言いながらも、竹刀を握り直したのがわかった。
「まぁ、くっちゃべってないでやりますか。時間が」
「ないからな」
義成もかまえる。
薄暗い道場の中で、手練れ同士が向き合う、静かな緊張が景伊にも伝わってきた。
景伊は竹刀であれ真剣であれ、義成が剣を持つ姿と言うのはほどんど見たことがない。
一度見たのは──鬼のような形相で、こちらに斬りつけてきたあの雪の日だった。
あの頃は兄が強いのかなんて知らなかった。
こちらはどうすることもできず、いたぶるように斬られただけだった。
──腕や背中に残る傷が、ずくりと痛む。
震えそうになった体を、肩を抱くことで押さえる。
何を怯えているのだろう自分は。
もうとっくに終わったことだ。
許すと言ったのは自分じゃないか。
「景伊」
そんな自分に気づいたのか、利秋が小さく声をかけてきた。
「義成は大丈夫だよ。もう二度とお前に剣先向ける様な事はないさ。自分のした事、一番後悔してるのはあいつだ」
「……」
「疑うか?」
景伊は首を横に振る。
「疑いません。ここまで来てくれたあの人を、俺は疑いたくありません」
自分の、一番大事なもの。
その文面を見て、ここまで来てくれた兄。

──お前が選んでいいんだ。どうしたいのか、どう生きていくのか、自由に。
──この子が一人前になるまで。それまでは、私はこの子を何よりも優先してやりたい。一番に愛してやりたいんです。

兄のそんな言葉が、どれだけ自分を救ってくれたか、兄はきっとわからないのだろうと景伊は思う。
自分の中で絶対の存在だった義成。
彼にだけは嫌われたくなくて、良い子だと思ってほしくて頑張っていた。
暗闇に泣きたいときでも笑っていた。
だがその兄は、あの雪の日、自分を疑い、自分の言葉を聞き入れてはくれなかった。
事実、兄は「見て」いたのだから仕方ない。
「景伊」が家族の死体を弄ぶ姿を。

信じてほしかった。
あそこで命まで取られなかったのは、情けなのか、兄の気がそれただけなのか、命まで取る価値もないと思われたのかわからない。
目が覚めてそばにいたのは、兄ではなかった。
背格好の良く似た、でも全く別の男だった。
兄のそばを離れ、何もなくなった自分は、その男に依存した。
その男は口が悪く手も足も早かったけど、こちらが間違った事をすればきちんと叱り、夜にあの日の事を夢見てうなされれば、朝までこちらの手を握り、添い寝してくれるような男だった。
「……定信」
代わりのつもりじゃなんかじゃなかった。
でも自分はどこか、定信に兄を重ねていたのかもしれない。
全然似ていない。でも、自分を守ってくれる人間として、都合よく。
「お前を愛しているよ」と言いながら、定信は己を抱いた。
鶏がらのように痩せて、馬鹿な自分を抱きたがる人間など、世界中探してもあの男くらいしかいないだろう。
最初は勢いだった。
言い合って、もうどうでもよくなって、そこまで言うなら抱いて見せろと自分を差し出した。
予想外に、あの男は自分を優しく抱いた。
こちら痛がれば無理はしなかったし、待ってくれと言えば待ってくれた。
あの瞬間まで疑っていた。
あの男が、本当に自分を愛してくれていたなんて思わなかった。
これっぽちも信じていなかった。

──お前が選んでいいんだ。どうしたいのか、どう生きていくのか、自由に。
三年前、事件後初めて、一人で義成に会いに行ったときに言われた言葉。

兄上。
景伊は口の中で小さく呟く。
俺は貴方の為なら、なんだってする。
幼かったあの日、暗い闇の中で光をくれたのは貴方。
その為なら、なんだってしてみせる。

(でも俺は、あいつと共に生きていたいんです)

景伊は歯を噛みしめ、向かい合う二人の男を見る。
よく殴るし、口は悪いし、すぐかっとなるし。でも優しくて、自分を一人の人間として見てくれて、歩き方もわからないような自分の手を引いて、危険なやぶの中でも前に立って歩こうとするような男。
本当は手を引かれたいわけじゃない。
共に歩調を並べて、歩きたい。
景伊は震えを止めるように息を吸って、はく。
刀を向けられ己を否定された記憶。
それは激しい痛みとして脳裏にこびり付き、口では「恨んでない」と言いつつも、今もこうして簡単に、景伊の体から力を奪う。
あれは事故だ。化物に惑わされた結果の事故。
そうは思っても、体は震えた。

でもあの事件がなければ、今の自分たちはいなかった。

今周囲をとりまく人々と出会うことはなかっただろうし、きっと未だに己はあの離れに一人きりだ。
兄もこちらを同情の目で見ていただろう。
兄弟として、わかり合うどころの話ではなかった。
(俺はもう、終わりにしたい)
景伊は拳を握る。
夢に怯えるのを終わりにしたい。
兄に怯える事を終わりにしたい。
愛してほしいと、求めてばかりのでいるのを、終わりにしたい。
もう、自分はあの土蔵から出なければいけないのだ。
身体はこうしてここにいる。
でも未だに、心はあの闇の中に囚われている。
出なければいけない。
あんな事もあったと笑い話にできる頃、きっと自分は本当の意味で、自立できるのかもしれない。

竹刀がぶつかり合う、激しい音が道場の中に響く。
「流石にお前は、打ち込みが強い……」
潮津の剣を竹刀でまともに受け止めた義成は、眉間に皺を寄せながら呟いた。体格で勝る潮津の剣は、重い。
「ぬかせ。こっちに隙も見せんくせによく言う。三年遊んでこれじゃ、自信なくすぞ」
潮津も息を荒げながら、一歩下がる。
竹刀を握る腕からは、ぽたぽたと血が流れ床に染みを作る。
「お前、指……」
景伊が噛みついた指は、未だに血が止まる気配がない。
潮津の腕を紅く染め、握る竹刀も血で滑るのか、何度か握り直すのが見えた。
「潮津、もうやめろ。早く手当てしたほうがいい」
「……この程度ならまだいける」
「一生棒に振る気かお前は!」
義成の叫ぶ声を同時に、また竹刀がぶつかる。
がしん、と激しい音が響いた。
「早く本気になれよ。昔のお前はもっと強かった」
「……それはお前の妄想だ。こっちは本気でやってるよ」
「なら、弱くなったのか」
「自分が強くなったって思えないのかお前は!」
潮津の剣を弾き、間合いを取ろうとした瞬間だった。

潮津の手から、突然竹刀が落ちた。

義成も潮津も、目を見開いてそれを見た。
「……」
がらん、と竹刀が落下した音が、静かに響く。
「潮津……」
義成が呼びかける。
潮津も、自分が竹刀を落した事が信じられないような顔をしていた。
そしてゆっくり、血で紅く染まった己の右手を、自分の顔の前に掲げた。
小さく震える右手。
力が入らないのか、柔らかく曲げた指は、そのまま動く様子を見せない。
「……限界だろ、もう」
静かに膝をつく男に、義成は竹刀を突き付けた。
「なあ潮津。お前は立派にこの道場の頭をやってるじゃないか。お前を慕っている者だっているはずだ。こんなくだらない事で、刀握れなくなるのは、お前だって嫌だろう?」
「……くだらなくはないさ」
傷口を押さえた潮津は、目の前に立つ義成を見上げる。
「お前と真面目に勝負したいと思った。それは、俺にとってはくだらない事じゃない」
「……お前を負かしたのは、俺じゃないんだが」
義成は、視線を潮津の赤く染まった腕にやる。
「お前に勝ったのはあいつかな。……剣客としてはこんな勝ち方どうかなと思うが。お前にとってこれがくだらない事じゃないって言うなら、俺もまた付き合うさ。お前も万全の状態で挑みたいだろう?こんなのじゃなくて」
だから早く手当てしろよ馬鹿、と義成は潮津に言葉を投げつけた。
「俺に「また」はもうないかもしれないがね」
「だからさっさと医者連れてこなきゃならんだろうが。どこに隠してるんだ、さっさと言えよ」
少々苛々し始めている義成に苦い笑みを浮かべ、潮津は景伊の方を見た。
「……お前との約束だったものな」
潮津は血を流す右手を押さえる。押さえながらも、どこかふっきれたような、落ち着いた笑みを浮かべた。
「……負けだな俺の。約束は果たそう」

暗い道場の真ん中で、潮津はぽつりと語り始めた。
「お前に『妙なものに会っていないか』と聞かれたとき、肝が冷えたよ」
傷を止血するため腕を縛る景伊を、潮津は静かに笑みを浮かべて見た。
「……やっぱり」
「なんでわかったのかはわからんけど。……確かに、妙なものは見た。たぶん、あれは人じゃないんだろうな」
「どんな姿をしていた?」
義成も問う。
潮津は少し考えるように、道場の床の、まっすぐ続く板目に目をやる。
「……俺だった。なんていうか、一か月前くらいの夜。信じられないかもしれないが、俺は俺に会った」
自分に会った、という潮津は、視線を落とす。
今までの事を思い返しているのか、その口調はゆっくりだった。
「俺の家は……義成は知ってるだろうが、祖父が派手な人間でね。金遣いがやたら荒くて、家は傾いて、俺の親父も一生金策考えてたような家なんだよ。今もそうだ。借金まみれになってて、俺は頭は良くなかったけど体格には恵まれたから、剣で身を立てるしかないなと思ってた」
潮津は義成の顔を見る。
「有名どころの道場主になったら、人も集まるしそこそこ稼げるからな。子供の頃からそれが目標で、必死だった。毎日毎日、夜中まで素振りしてた。でもそこまでやったのに、どうしても勝てないやつがいたんだ」
お前だよ、と潮津は義成を見上げる。
突然の言葉に、義成が軽く目を見開いた。
「不思議な事に、お前だけにはどうしても勝てなかった。はじめたの、お前の方が遅かったのに」
潮津はそんな義成を見ながら、苦笑いを浮かべる。
「こっちの気も知らず、お前はどんどん強くなった。こっちはそれで身を立てたいのに、そんな気もないお前はさっさと俺を追い抜いて、塾頭になった。身体がでかいからとか、そんなものでどうにかなるものでもないんだって、そのとき思い知ったさ」
完全な嫉妬だった、と潮津は言う。
「でもお前はさっさとそれすら辞めちまう。家の事もあったし仕方なかったんだろう。お前がいなくなった後、俺は塾頭になった。むなしい気持ちしかなかった。俺がこの位置に納まったのは、俺が強かったからじゃない。一番強かったお前がいなくなって、ほかにいなかったからだ。俺が勝ち得た居場所じゃないって事が、どうしてもすっきりこなかった」

俺がお前と会わなかったのは、嫉妬してるって知られたくなかったからだ。

潮津はそう、義成に言う。
義成は何かを言うでもない。黙って聞いていた。
「お前はただ単に、忙しかったんだろう。でも俺は、そんな勝手な理由で会いたくなかった。会えばむなしくなると思った。そう、くすぶってたときだったよ」
あいつが来たのは、と潮津は血塗れの指を握る。
それは、道場で一人残って掃除していた潮津の背後に、突然現れたのだという。
気配もなく後ろを取られた事に、潮津は驚いた。

「振り向いたら、俺が立ってるんだよ。明らかに物の怪のたぐいだと思った」

それは、潮津を見て静かに言い放った。
──お前の事が、わかるぞ。

自分はもっと、周囲に認められるべきだ。
名声がほしいんだろ?
それについてくる、金も欲しいだろう。

「嫌なところをつかれたと思った。恐ろしいよりも何よりも、そう言われるのが嫌で、俺はそれを追い払った」
だがそれは、毎晩のように現れるようになった。
道場で、自宅で。
決まって、潮津が一人でいるときに限って。
「気がおかしくなりそうだった。でもその日は違った。そいつは金を持ってた」
潮津が自室にいたとき、背後に現れたそれは、潮津の顔を見るなり畳の上に大量の金をばらまいた。
「受け取れ」とそれは言う。
しかし出所のわからない、しかもかなりの量の金。

「必要なのだろう? お前には」

潮津の姿をしたそれは、潮津にそう言った。自分自身に言われているようで、不快な気持ちになった。
金に困っているというのも確かだった。
だがこんなわけのわからない金、受け取るべきではないと思った。
「では仕事をやろう。それはやる。成功すれば、もっとやる。お前の腕を見込んで頼みたい」
仕事なんて言っても、ろくでもないものだとはわかっていた。どうせこんなご時世では、暗殺か何か。
だが、腕を見込んでという言葉は少し魅力に感じてしまう。
自分が認められている。
家は傾いていて、親も年老いた。
道場を預かる立場で以前よりも確かに収入はあったが、それでも莫大な借金は消えない。
金は確かに欲しかった。
「……どうすればいいんだ」
甘い囁きに、潮津が答えた。
自分の姿をしたそれは、にこりと笑った。

「人を一人、殺してほしい」

秘密裏に誰にもわからないように始末してくれれば。
お前にとっては簡単なことだよ。
相手はお前も見知った男。相手もお前に警戒心は抱いていない。
一人の時に、ひっそりやってしまえばいいだけの事。
あとは埋めるなり川に流すなり、見つからないようにしてくれればいい。
自分の姿をしたものは、そう淡々と語った。
──誰なんだ、その相手は。
潮津が問うと、それは景伊の名を告げた。

「……自分たちが俺に触れたくないからですね」

景伊は利秋の顔を見上げる。
「俺はあいつらにとって近寄りたくもない存在だそうですから、人に俺を殺させようとしてたんでしょう。俺が、一人で会っても警戒心を頂かない相手でそこまで匂いも染みついてない存在って言ったら、潮津さんくらいしかいない。友達、いませんからね」
「まぁいばれる事じゃないんだがな」
利秋はため息をつく。
「で、お前さんどうしたんだ。それでやりますってか?」
潮津は、黙って首を横に振る。
「景伊には恨みもありません。義成には嫉妬もありましたが、こいつは無関係です。むしろ兄貴と比べられてかわいそうにくらいに思ってましたよ。……いや、比べていたのは俺か」
潮津は答えを出さなかったのだと言う。
しかしそれは、金を置いたまま消えてしまった。
「その次の朝です。料亭の押し込み強盗の話を聞きました」
人が殺され、金品を奪われていた。
その話を聞いて、潮津は思ったらしい。

──この金の出所は、そこなのではないかと。

「怖くなって、金は家の中に隠しました。金の存在がばれたら、真っ先に疑われるのは俺です。見なかったことにしようと思っていた。でもあいつはしばらくして、また現れた」
──あれでは足りなかったか?
「そう言うと、また足元に金をばらまいたんです。拒否しても、次の日わかるのはまた強盗殺人があったって事だけ。俺が拒否すれば、きっとまたあいつは事件を起こすんでしょう。何人も死ぬ。昨日の晩、そいつはまた現れました」
──あれでは足りなかったか?
「また同じことを言うんです。もうやめてくれ、と言いました。やるしかないのならやるから、と答えた。明日やるからと言えば、そいつは笑って言いました」
──手伝いはする。どう料理するか、それはお前にまかせる。

「こんな事、誰にも相談できません。しかし見知った者を殺すなんて、どうしてもできないと思った。だから俺は──手紙を書いたんです」 「……これか」 義成は懐から手紙を取り出す。 「うちの門の戸に挟まってたのを、女中が見つけたんだ。もう少しわかりやすく書いてくれないと、どうにもできんだろうが」
「誰かが中身を見てしまったときの事を考えると、具体的には書けなかった。お前が、弟の為に縁談先延ばしにしているって話聞いてな」
「誰だそんな話流してる馬鹿は」
「さぁ。お前ん所の親戚かもしれないし、縁談決まって向こうの家が喜びのあまり、かもしれないし」
「……」
義成が頭を押さえる。
それを見て、潮津が申し訳なさそうに笑った。
「結局、嫉妬しながら俺はお前を頼った。お前が来てくれれば、殺しはしないですむかもしれない。お前は俺を止めてくれるかもしれない。今会う事ができれば、こんな俺の情けない嫉妬に、けりをつけられるかもしれないってな……ごめん」
──謝ってすむ事ではないな。
そう、潮津は呟く。
「……定信はどこですか?」
黙って話を聞いていた景伊は、潮津の傷の止血をし終えると、静かに潮津の顔を見つめた。
「景伊……」
「謝らなくていいです。俺も謝りませんけど。教えるって約束でしょう? 今どこにいるんですか」
「先生の場所は……この近く、の」
言いかけたところで、潮津の言葉が止まる。

様子がおかしい。

「しお……」 名を呼びかけたところで、一瞬辺りにとてつもなく嫌な匂いが立ち込めた。
(まさか)
昼に潮津から感じた、あの嫌な臭い。
この潮津は本物だと思っていた。
アレが姿を借りたものではないと。
嫌な予感を感じ、景伊は立ち上がろうとしたが、その手を潮津の血塗れの手が掴む。
潮津のうつろな目が見えた。
潮津のもう片方の腕は、懐に入れられている。
懐に隠されていたのは──短刀。
兄のときと同じだ、と思った。
忘れていた己が馬鹿だと思った。
向こうだって賢いのだ。
こちらの鼻をあざむく為、密かに。彼を監視するように息をひそめて、体内に潜んでいたとしたら。

そもそも彼らが、他の動物の中に入り込む術を学んだのは──匂いをごまかす為だったのに。

薄暗い中で、短い刃が光る。
避ける間もない。
鈍い衝撃が、景伊の腹を貫く。
声を上げる間もなかった。
痛みは、一足遅れてやってきた。